「瀬戸内だより」 大友 久
あまり思い出すことのない自分の中学生の頃のことを思うと、成績が悪かったから暗くて急に視界が狭くなったような気持ちになる。なんとなく元気なく、くすぶった感じが私の立場というか、そんな雰囲気だった気がする。
通学は朝から電車に乗り遅れないようにするのが大変だった。とても間に合いそうもない時間に家を出て間に合わせていた。
授業もそんな感じだった。ほとんどの科目が全くわからないまま次々と授業がありテストがあった。呪文のようにしか聞こえなかった英語や数学の授業を聞いたふりをしながら、
その頃なにを思っていたのだろうかもとっくに忘れてしまった。成績が悪いのは何をしていても恥ずかしいことだった。
いまは備前焼を作っている。ろくろを回し、お皿や花入れ、壷、などを作ります。窯を焚くときは松割木をたくさんくべて、煙突から煙りと炎をボーボーだしながら焼いていくのです。まあのんびりした田舎暮らし。
こんど私たちの住む町も三つ集まって「瀬戸内市」になります。なんかしっくりこない名前だと言うひとがほとんどです。瀬戸内海地方にあるのですが、瀬戸内市と言うにはちょっと気がひけるのでしょう。宮城県のどこかの町が「みちのく市」と名付けてしまったような気分なのでしょうか。
先日は両親が遊びに来て岡山まで来たのだから九州の博多に行きたいといって実際行ってきました。これは岡山のひとが仙台へ来たのだから札幌に行かなくちゃと言ったところです。わが親戚が来るたびにこの感覚に呆れます。
ついでに伊達政宗にあたるのが、岡山では桃太郎です。とこれはわたしが思っています。
仕事場では、いつも好きなCDをかけて仕事をしています。中古の安いCDを山ほどた
くさん買っていろいろかけ聞いています。古本もたくさん買います。ちかごろ気に入っている、本からの言葉は、「ワインを飲んでいるほうがいい」です。なにかの小説のなんの意味もない会話の一節に、そうだ「ワインを飲んでいるほうがいい」。とわたしは勝手に納得したのです。これは「お酒を飲んでいるほうがいい」とは違います。ワインを飲んでいる方がいいんです。なにかワインの感じと世の中のいろいろなこととの距離感がちょうどいいのです。お酒やビール、焼酎、ウイスキーどれもおいしくてやめられませんが、ワインはいろいろ種類も有ってよく分からないけど、時々は安めのワインを買って飲んだりしています。