C2 北海道の小児救急医療の現状
北海道小児科医会
山中樹、太田八千雄、沢田博行、岡敏明、門脇純一、南部春生
広い行政地域をカバーしている北海道の医療事情は地域毎に大きく異なっている。北海道小児科医会では、小児の初期および2次救急医療体制がどの程度公的に整備されているか、また小児科医がどの様な状況下で勤務しているのか実態調査をおこない、地域毎の小児救急医療の問題点と特殊性を検討した。
道内基幹病院の小児科勤務医と開業医にアンケート調査し、56.6%(167/295)の対象者から回答を得た。急病センターが公的に整備されている地域は、基幹病院が1ヵ所しかない37地域では5市(14%)、基幹病院が複数存在する10地域では8市(80%)であった。一方2次救急医療施設が公的に制度化されている地域は極めて少なく、ほとんどの地域では基幹病院が独自に24時間体制で2次救急患者を受け入れているのが現状であり、特に基幹病院が少ない地域の小児科医勤務医は連日あるいは待機状態に置かれている。加重労働の解消には、隣接地域の医療施設の連携を強化したり、小児科医の増員などを実現していく必要性があるが、小児救急医療が病院経営面で不利にならないような診療報酬体制を実現していくことも今後重要な課題であると考えられる。
またオホーツク地域の北見市では、地域の唯一の基幹病院である北見赤十字病院において、初期救急から3次救急医療までを一体化したアメリカ型の小児救急システムを採用している。一方医療施設の多い札幌市は、初期救急から3次救急医療までを担う医療施設が充実しているが、初期救急患者の受け入れ先である札幌市急病センターの診療時間帯に一部空白があること(午前7〜9時、午後5〜7時まで)や休祭日には公的に制度化されている2次救急医療施設を平日や土曜日まで拡大し制度化していくという検討課題が残されている。