| X-C PARAMOTOR
HANURU T80 パラグライダーを楽しむ人々が急増中であるという韓国から、 新たなモーターユニット「HANURU T80(ハヌル ティーエイティ)が上陸した。 長らく日本のモーター業界に携わってきたパイロットが体験した、その実力とは? | |
![]() |
「空」の名を与えられた、 リーズナブルな新ユニットが韓国から上陸! |
| HANURU T80との出会い 仕事としても趣味としてもパラモーターで飛びつづけている私にとって、 日本でのパラモーターの発展には少なからず関心がある。 「もっとパラモーターフライトを楽しめる人を増やしたい」という理想とは裏腹に、 なかなかフライト人口が増えないのは歯がゆい点だ。 実際、「ユニットの値段が高い」「重くて大変」「音がうるさい」といった点が、 初心者には手を出しにくくさせているのは事実だろう。重さや騒音については、 最近のユニットは各社ともに改良が進んでいるが、値段が高いという点は 正直なところあまり変わっていないように思う。 もちろん、ただ安ければ良いというものではない。 しかし、「もっと手が出しやすくて、クオリティも高いユニットがあれば・・・」 という願いはユーザー共通ではないかと思う。 私が最新ユニット「ハヌル」と出会うことになったのは、「韓国に理想的な モーターユニットを作っているメーカーがある!」と聞いたことがきっかけだった。 | |
| いざ、韓国へ 「ハヌルT80」を作っている「X-C PARAMOTOR」社は韓国の真ん中にある。 私は9月に韓国で行われた「第1回 韓国動力パラグライダー協会長杯 親善大会」に 訪れた機会を利用し、同社へと赴いた。余談だが、社長はふくよかな体型と温和な性格の方で、 試乗にあたっては随分と親切にしていただいた。この場を借りて御礼申し上げたい。 しかし、ユニットの性能については冷静に評価しなければならない。私は心を鬼にして(?) 「ハヌルT80」のユニットチェックと、体験飛行を行ったのである。 | |
| 「ハヌルT80」の構造 同社製のフレームはアルミ製で非常に軽量、かつ丈夫だ。4分割できる点も申し分なく、 持ち運びについても考えられている。名前のT80が示すとおり、搭載しているのはイタリアの PER IL VOLO(ペリイルボロ)社製のT80エンジン。すでに他社製ユニットでも採用され 高い評価を得ているので、ご存じの方も多いだろう。従って、エンジンパワーについても 不足はない。ユニット全体での乾燥重量は21kgで、出力からいっても非常に軽量であると 言って良いだろう。 | |
![]() 肩吊りのハーネスで安定度も高い。 |
![]() アルミガードは簡単に4分割が可能だ。 |
![]() エンジンは実績あるTOP80を採用。 | |
|
これで合格? いやいや、重要なのはプロペラである。聞けばプロペラもオリジナルの
製品だというではないか。果たしてどの程度の出来なのか? そんな疑問とともにチェックしたプロペラの完成度の高さに、正直舌を巻いた。 メーカーの説明によれば高価なプロペラ製作専用のマシンを導入しており、非常に高い精度で プロペラを量産できるのだという。量産といっても、なんとこの機械で作ることができる プロペラは一日にたった3枚。私もこの機械を見せてもらったが、正確な作業と、 丁寧な工程が行われているが故に時間がかかることがよくわかった。既にユニットを 所有している私としては、思わず「このプロペラだけでも欲しい」と思ってしまった・・・ | |
![]() |
![]() X-C PARAMOTORでは精度の高いプロペラを 専用マシンで製作している。 |
| フライトテスト 思わずプロペラの出来の良さに目が眩んでしまったが、本来の目的である試乗テストをしなければ ユニットとしての評価はできない。 借り出した機材をすぐに装着してみると、第一印象は「軽い!」の一言。旧式のユニットを長く 使っていた私からしてみると、感動を覚えるほど軽い。これならばユニットを背負ったことのない 初心者でも、重量によるストレスが少ない状態で講習が受けられるはずだ。 さらに、静音性も高く、この時は耳栓を装着せずにテストを行った。遠心クラッチなので、 アイドリングの時も静音だが、フルパワーにした場合でも騒音はかなり抑えられている。 アクセルをふかしていくにつれて相当なパワーがあることを確認。全開ならば左上方向に 上がりすぎると言っても過言ではない。私はゆったりと平行に飛ぶことが多いので、 アクセルは少しでも良いくらいだ。ちなみに私の体重は63kgだが、今回は125cmのプロペラを 使用している。最近は楽に飛べるためか、115cmよりも125cmを使うユーザーも多い。 しばらくはスロットル調整だけで「ハヌルT80」の感覚を掴んだところで、まずはピッチングを 行ってみた。吹かし始めもすぐにクラッチにつき、全く問題は無い。続いて「ローリング」へと 入るが、ハーネスが肩吊りで安定しているため、横揺れしても非常に安定感がある。 この安定感は単にフライトにとってメリットがあるというだけでなく、パラモーターを 利用した空撮などにおいても大いに役立つことだろう。 さらに高度を落とし、次はローパスを行う。こうした動きは単にエンジンの性能という事ではなく キャノピーの影響も大きいわけだが、アクセル調整がスムーズで、ローパス時の安定感を 維持しやすかったのは確かだ。こうした性能は、スラロームを行う時も有効でアクセル調整によって 小さい旋回半径で回ることを可能にしてくれる。 フライト時の安定感は、言い換えれば安心感でもある。「ハヌルT80」は私が理想とする、 「知らない人にもパラモーターフライトの魅力を気づかせてくれるユニット」としての条件を、 ハイレベルで満たしたユニットであると感じた。 | |
|
「空」の名にふさわしいユニット 実際に触れてみた結果、扱いやすさ重視の優れたユニットであることがよくわかったが、 私を魅了したのはスペックだけではない。ユニット名である「HANURU(ハヌル)」は、 韓国語で空を意味するという。これから大空の魅力を知ろうという人達が手にするユニットの 名にふさわしい、素晴らしい名前だと思う。 嬉しいことに、日本での正規ディーラーも始動し、価格もリーゾナブルな設定が約束されて いるとのこと。これからパラモーターを楽しむ人、すでに楽しんでいる人にぜひ試してほしいと 思うベストユニット&プロペラだ。 | |