平成19年度 審判講習会「06競技運営上の諸問題・トラブル事例」4/7
P.8『走高跳のパス扱い』の正しい解釈
女子走高跳において、2名の競技者で1m55に挑戦することになった。Bさんはリレーに 出場するためにその場を離れたが、Aさんの3回目に入るところで戻ってきたので、Aさん の跳躍(失敗)の後にBさんを跳躍させた。彼女は失敗であったが、その後バーは1m58に 上げられ、Bさんには2回の試技が与えられた。
問題点@ Bさんがリレーに出場するためにその場を離れる際に、Bさんがいない間の試技を「パ ス」として扱うか、「無効試技」として扱うかを審判員は確認をしておくべきであった。 (当然、Bさんも審判員に意思表示をしておくべきであった。)
審判ハンドブック(2005〜2006)P.220 「同時申込み競技者の扱い」に『……他種目に 移動する際に、試技順に間に合わない場合には、その試技を無効試技としておいた方がよ いかどうかを確認しておくことが大切である。何の確認もなかったときはパス扱いとする』 とある。
問題点A このケースの場合、Bさんがいない間の試技は無効試技扱いにしたいという意思は確認 されていなかったので、ルール上「パス扱い」となる。そうなると、Aさんが1m55に挑戦 中にBさんが帰ってきたとしても1m55を試技する権利はなく、次の1m58の高さで3回の 試技を与えておけば問題はなかったのである。したがって、この事例の問題点は、 Bさんに1m55の試技を実施させた点と、1m58の高さで2回の試技を与えた点にあったと言える。 (※参照:競技規則 第181条A)
※仮に、Bさんがリレーのためにその場を離れる際、審判員に対して「以後の試技は、私が帰っ ていない場合は無効試技扱いでお願いします」と意思表示をしていた場合は、Aさんが3回 の挑戦中に帰ってくることができたとして、3回目の跳躍として1回の試技を行うことができ る。「無効試技扱い」では、試技ができなかった1回目、2回目は跳躍を失敗した場合と同じ扱 いになるので、その試技に失敗したのであればその時点で競技は終了となる。
『パス』とは………その高さの試技をしないこと(その意思表示をすること)。 『無効試技』とは…‥試技の失敗、もしくは与えられた試技機会を放棄することで、3回連続 して無効試技をしない限り、同一の高さ、あるいは異なる高さへの試技 を行うことができる。