「きつねの嫁入り」で知られる稲穂祭りはユニークな祭りで、毎年11月3日、下松市花岡の法静寺境内にある花岡福徳稲荷社で行われています。
■法静寺の白狐伝説の由来
 
 享保9年(1724)のある夜、住職の夢枕に白狐の老夫婦が立ち「私達はシラムが森で往生したした白狐です。どうか私達を人間同様に亡骸を葬り、畜生道から解脱できるよう願いを叶えてくださるなら、私達の法力をもって『和尚さんの失われた数珠はお手元に、寺や里人もお守りしましょう』」と言って消えました。
 
 住職が目を覚ましてみると枕元には数珠があり、早速寺男と共に告げられた場所に行ってみると、2匹の白狐が大往生を遂げていました。 住職は亡骸を寺に持ち帰り、墓を建て、戒名をつけるなどして、手厚く葬りました。
 今も寺の過去帳には2匹の白狐夫婦の戒名が記され、位牌は本堂に祀られています。
 
 
 
■花岡福徳稲荷大明神の由来
  
 文政13年(1830)、この地方の代官所で大切な書物が無くなり、困っていると、村人達が役人達に法静寺の白狐のことを教えました。
 役人たちは、すぐに法静寺の白狐の墓に参り『願』をかけました。するとまもなく、その書き物が見つかりました。
 代官所では、お礼に寺の境内に社を建て、白狐を祀り、管領長公文所に願い出て、この社に『出世福徳正一位稲荷大明神』という神号を贈り賜わり、この時より、稲荷様としてお祀りするようになりました。